2024年1月20日土曜日

自主検査

 
こんにちは! 本社・イシカワです。

お決まりの野球ネタは次回にするとして、
今回は検査業務についてです。

数年前に建物竣工時に受ける
「完了検査」について説明しましたが、
今回は主に構造の確認をする「中間検査」と
瑕疵担保責任保険に入る為の「躯体検査」、
それらの検査を受ける前に行う
「自主検査」についてお話します。

「中間検査」と「躯体検査」は
木造建築の場合、
上棟して補強金物の取り付けと、
外部の耐力面材の施工が
全て終わった段階で受ける検査で、
チェック項目は両方共ほぼ同じです。
「中間検査」は建築確認済証を受けた
指定確認検査機関、「躯体検査」は
保険法人の検査員が検査を行いますが、
丸山では事前に私達工事部の人間が
検査を行っています。
 


ちなみに現在木造2階建ての建物は、
「中間検査」は免除されているので、
確認検査機関による現場検査は、
竣工時に行なう「完了検査」の
1度きりとなります。

主な検査のポイントは 

1.補強金物・筋交が確認図面通り取り付けてあるか?
2.耐力面材が規定通りに施工されているか?

です。

「なぁ~んだ、2点だけか。」
なんて思わないでくださいね(;^_^A
まず補強金物が多種多様で、一現場当たり
1000個を優に超える数の金物があります。
それぞれ使うビスの長さや太さ・本数、
更に組み合わせるボルトや
ワッシャー等にも違いがあるので、
チェックするには
かなり時間のかかる作業になります。
耐力面材も施工する場所よって、
面材の種類、釘の種類・間隔、
場合により長さも変わります。
少し具体的に説明します!

 

上の写真はホールダウン金物といって、
地震や台風など建物に負荷のかかる時に
柱が引き抜けないように補強する金物で、
強さ(接合耐力)も数種類あります。
主に構造計算により取り付け箇所と
種類が決まっていて、写真の金物は
68kN(キロニュートン)の耐力の金物なので、
6800㎏の引抜耐力がある金物です。

こちらでチェックすべきポイントは、

  a 取り付ける位置・種類が合っているか?
  b 取り付けてあるボルトが専用の物か?
  c 専用ビスで既定の本数で留められているか?
  d 専用の丸座金が使われているか?
  e ナットに緩みがないか?
  f 金物と横架材との間が規定の寸法以上確保されているか?

というように、
ホールダウン金物1ヶ所見るのに
これだけのチェック項目があります。

 



この写真は外部に張っている耐力面材です。
これを規定通りに張る事によって
筋交と同様に構造を強くする事が出来て、
こちらも構造計算によって
規定通りに張る壁と
そうでは無い壁に分けられます。

こちらのチェックポイントは

  a 縦方向(上下階)の継ぎ目は既定寸法の隙間を空けているか?
  b 指定の釘・指定の間隔で留められているか?
  c 釘のめり込みがおさえられているか?

これらのチェックを私達は日にちを分けて、
1度で全て見ようとすると、
金物が面材の裏側になって
目視出来なくなるからです。
写真を撮る時間を含めれば
更に時間を要します。
残念ながらこの自主検査で、
指摘事項の無い大工さんは未だおりません。
それらを是正した後に「中間検査」と
瑕疵担保責任保険の「躯体検査」を受けるので、
立ち合い検査はほぼ一発合格します。
ですが「中間検査」や瑕疵担保責任保険の
「躯体検査」の検査員は、
正味30分の時間でチェックをしていきます。
検査員にもよりますが、
足場に上らない人も多数います。
足場に上らないと、
外部の耐力面材のチェックは
出来ないのですけどね(+_+)
延べ2時間以上かけてチェックをします。

何が言いたいのかといいますと、
「第3者機関の検査を受けているから安心」
とは言えないという事です。
しかもその検査自体、長い工事期間の中で
基礎の配筋検査・今回説明した中間検査と
躯体検査・竣工時の
完了検査の3回しかありません。
建物の防水性能や断熱性能に関する検査は、
任意ではあっても必ず受けなくては
ならないものでもなく、
実際に任意で検査をする会社は
少ないと思います。

 



なので、施工業者がしっかりと
品質管理をする事が非常に大事で、
その検査結果の記録、
是正した記録を残しておく事も然りです。
丸山工務店はそういった一連の事を行い、
お施主様に引き渡しの際、
チェック図面等をまとめた
「品質検査報告書」でご説明をしております。
一様に皆さん感心していただけるので、
私達とすると嬉しく思いますね。

以上、長くなりましたが
「自主検査」についてでした。
 
ではでは(^.^)/~~~





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