こんにちは! 本社・イシカワです。
お決まりの野球ネタは次回にするとして、
今回は検査業務についてです。
数年前に建物竣工時に受ける
「完了検査」について説明しましたが、
今回は主に構造の確認をする「中間検査」と
瑕疵担保責任保険に入る為の「躯体検査」、
それらの検査を受ける前に行う
「自主検査」についてお話します。
「中間検査」と「躯体検査」は
木造建築の場合、
上棟して補強金物の取り付けと、
外部の耐力面材の施工が
全て終わった段階で受ける検査で、
チェック項目は両方共ほぼ同じです。
「中間検査」は建築確認済証を受けた
指定確認検査機関、「躯体検査」は
保険法人の検査員が検査を行いますが、
丸山では事前に私達工事部の人間が
検査を行っています。
ちなみに現在木造2階建ての建物は、
「中間検査」は免除されているので、
確認検査機関による現場検査は、
竣工時に行なう「完了検査」の
1度きりとなります。
主な検査のポイントは
1.補強金物・筋交が確認図面通り取り付けてあるか?
2.耐力面材が規定通りに施工されているか?
です。
「なぁ~んだ、2点だけか。」
なんて思わないでくださいね(;^_^A
まず補強金物が多種多様で、一現場当たり
1000個を優に超える数の金物があります。
それぞれ使うビスの長さや太さ・本数、
更に組み合わせるボルトや
ワッシャー等にも違いがあるので、
チェックするには
かなり時間のかかる作業になります。
耐力面材も施工する場所よって、
面材の種類、釘の種類・間隔、
場合により長さも変わります。
少し具体的に説明します!
上の写真はホールダウン金物といって、
地震や台風など建物に負荷のかかる時に
柱が引き抜けないように補強する金物で、
強さ(接合耐力)も数種類あります。
主に構造計算により取り付け箇所と
種類が決まっていて、写真の金物は
68kN(キロニュートン)の耐力の金物なので、
6800㎏の引抜耐力がある金物です。
こちらでチェックすべきポイントは、
a 取り付ける位置・種類が合っているか?
b 取り付けてあるボルトが専用の物か?
c 専用ビスで既定の本数で留められているか?
d 専用の丸座金が使われているか?
e ナットに緩みがないか?
f 金物と横架材との間が規定の寸法以上確保されているか?
というように、
ホールダウン金物1ヶ所見るのに
これだけのチェック項目があります。
この写真は外部に張っている耐力面材です。
これを規定通りに張る事によって
筋交と同様に構造を強くする事が出来て、
こちらも構造計算によって
規定通りに張る壁と、
そうでは無い壁に分けられます。
こちらのチェックポイントは
a 縦方向(上下階)の継ぎ目は既定寸法の隙間を空けているか?
b 指定の釘・指定の間隔で留められているか?
c 釘のめり込みがおさえられているか?
これらのチェックを私達は日にちを分けて、
1度で全て見ようとすると、
金物が面材の裏側になって
目視出来なくなるからです。
写真を撮る時間を含めれば
更に時間を要します。
残念ながらこの自主検査で、
指摘事項の無い大工さんは未だおりません。
それらを是正した後に「中間検査」と
瑕疵担保責任保険の「躯体検査」を受けるので、
立ち合い検査はほぼ一発合格します。
ですが「中間検査」や瑕疵担保責任保険の
「躯体検査」の検査員は、
正味30分の時間でチェックをしていきます。
検査員にもよりますが、
足場に上らない人も多数います。
足場に上らないと、
外部の耐力面材のチェックは
出来ないのですけどね(+_+)
延べ2時間以上かけてチェックをします。
何が言いたいのかといいますと、
「第3者機関の検査を受けているから安心」
とは言えないという事です。
しかもその検査自体、長い工事期間の中で
基礎の配筋検査・今回説明した中間検査と
躯体検査・竣工時の
完了検査の3回しかありません。
建物の防水性能や断熱性能に関する検査は、
任意ではあっても必ず受けなくては
ならないものでもなく、
実際に任意で検査をする会社は
少ないと思います。
なので、施工業者がしっかりと
品質管理をする事が非常に大事で、
その検査結果の記録、
是正した記録を残しておく事も然りです。
丸山工務店はそういった一連の事を行い、
お施主様に引き渡しの際、
チェック図面等をまとめた
「品質検査報告書」でご説明をしております。
一様に皆さん感心していただけるので、
私達とすると嬉しく思いますね。
以上、長くなりましたが
「自主検査」についてでした。
ではでは(^.^)/~~~